閉経前後の更年期の悩みはさまざまなものがありますが、そのなかに性行為の際に痛みを伴う性交痛というものがあります。 これまでは気にならなかったのに、閉経前後でこうした症状の訴えが多くなるのは、いくつか理由が考えられます。 今回は、更年期の悩みのひとつ、性交痛についてご紹介していきます。. 更年期では、女性の身体のなかで大きな変化があります。 そのひとつが女性ホルモン(エストロゲン)の低下です。閉経前後では女性ホルモンを分泌している卵巣の機能が低下してきます。そのため女性ホルモンの低下が起こりますが、これらは月経や妊娠・出産に関わるだけではなく、健康を維持するためのものでもあるのです。 こうした女性ホルモンに関する影響で、性交時に痛みを伴うことがあります。原因として考えられるのは、以下のようなものです。. 閉経後には膣の粘膜が萎縮し、炎症を起こしやすくなります。女性ホルモンは膣の粘膜に潤いを与える働きがあり、膣内を細菌から守っています。 しかし、閉経後で女性ホルモンの分泌が低下することで、膣の粘膜が乾燥し、薄くなり、萎縮が起こります。これを『萎縮性膣炎』といいます。膣の粘膜に炎症が起こりやすくなると、性交時の刺激で膣が傷つきやすく、痛みや出血を伴うのです。 閉経後の外陰部のひりひりした痛みや、排尿時のしみる感じ、黄色や褐色のおりものなどの症状もあげられます。. 卵巣に発生した腫瘍のうち、袋のような嚢胞の形をしたものを卵巣嚢腫と呼びます。ほとんどが良性で20~40代に多い病気です。通常は2~3㎝くらいの大きさの卵巣ですが、嚢腫が大きくなると30㎝を超えることもあります。 症状としてはお腹の張り、下腹部痛、頻尿などです。性交時に違和感や痛みを伴うことで気づいたり、嚢腫が破裂したり、捻転という嚢腫がねじれてしまうことで、強い下腹部痛があり、病気がわかることもあります。. 誘発性膣前庭痛(PVD)は膣の入り口の感受性が高くなった状態で、少し触れただけでも痛みを感じるものです。 原因ははっきりとしていませんが、神経経路と脳の一部が物理的に変化して感受性が高くなると考えられています。骨盤筋の緊張があると痛みが増したり、性交後に膣の灼熱感が生じたりすることもあります。. 性交痛を伴う原因が子宮や卵巣の病気である場合には、根本的に病気を取り除く、小さくするための手術や薬物治療などをすすめられます。 それらにより、性交時痛が改善することでしょう。しかし、萎縮性膣炎のような、生命をおびやかすような病気ではない場合、対症療法としてさまざまな方法が考えられます。. 女性ホルモンの低下により、症状が起こっている可能性があれば、飲み薬や貼り薬などで女性ホルモンの補充を行います。 しかし、補充をやめてしまうと、数か月で元に戻ってしまうため、定期的に継続して服用する必要があります。ホルモン治療は効果や副作用が怖いと思われる方もいるかもしれませんが、さまざまな種類があるため、産婦人科やレディースクリニックの医師とよく相談をして決めましょう。. 痛みのある部分を刺激しない方法としては、石けんや入浴剤、締め付けのきつい下着など、刺激物となる可能性のあるものを避けることも必要です。 性交時には潤滑作用のある水性のゼリー、刺激の少ないコンドームを使用、性交時の体位を変えるなどの工夫もあります。 また、挿入以外のスキンシップを楽しむこともときには必要です。最近ではいわゆるアダルトグッズもスタイリッシュなものが多く、それほど抵抗感なく使えるようになっています。. 膣や子宮、卵巣に炎症、腫瘍がある以外にも、精神的な原因で性交痛を伴うこともあります。 性行為に対して恐怖感や嫌悪感、加齢による身体的症状の増加などがある場合には、腟潤滑液の分泌が少なくなり、痛みを感じることもあります。精神的なアプローチ法としては、認知行動療法やマインドフルネス認知療法、心理士によるカウンセリングなどを行います。 特に閉経後の女性は女性ホルモンの分泌が低下するため、情緒が不安定になりやすく、「今までできていたのに、なぜできないのか」と男性に思われてしまうことで、精神的に落ち込む人も少なくありません。 しかし、焦ることでより性行為への緊張感が強くなってしまうため、ゆっくりと丁寧に治療を行うことが大切です。 性交痛は女性の多くが経験することとされており、珍しいものではありません。これらの症状の原因には、子宮や卵巣などの病気が隠れていることや、神経系、精神的なものまでさまざまです。 特に子宮や卵巣の病気は早期発見されれば、小さな手術で済むことも多いです。 性行痛は相手にも周りにも相談しにくく、一人で抱え込み、自分が我慢をすればと思ってしまうこともありますが、まずは気になる症状がある場合には、産婦人科やレディースクリニックを受診し、相談してみてください。. 更年期の性交痛の原因と対策 泌尿器・生殖器系の症状. 医療保険の見直しはいかがですか? 資料請求でハーゲンダッツを プレゼント!. お役だち ニュース. 今すぐ簡単チェック! 更年期のセルフチェック 医療保険をFPに相談して ハーゲンダッツ3個もらおう.
【更年期や閉経後の性交痛】濡れない原因、対処法や治療法など性交痛の悩みを女医が丁寧に解説。
女性の閉経とセクシュアリティ | もっと知ってほしいがんと生活のこと 更年期に変化していく私たちの体。フェムゾーンの乾燥や委縮により、性交痛の問題が起こりやすくなります。性交痛の症状や、クリニックでの治療方法 性交痛はどの年代でもあることですが、特に40歳代、更年期になると目立ってくるものです。これは女性ホルモンの低下により、腟粘膜が萎縮して、物理的に摩擦に耐えられ 閉経後の膣乾燥感、性交痛、頻繁な尿意 - 一般社団法人兵庫県医師会当院のコラムは全て医師が監修しております。 執筆者兼監修者プロフィール レディースクリニックなみなみ. ライフもっと 「集英社 能登半島地震災害支援募金」のお知らせ. GSMは厳密には 閉経後 の症候のことをいいますが、エストロゲンが低下することによって生じる症候のことですので更年期周辺の膣萎縮に伴う性交痛の原因にもなります。 性交痛だけではなく、性交渉時以外にも普段から外陰部にかゆみや違和感を感じやすくなったなという場合はGSMの可能性が非常に高いです。 子宮入り口付近に痛みが強い場合はこの、GSMによる粘膜萎縮の可能性が高いです。. 医療法人 心鹿会 理事長。泌尿器科専門医・指導医、性機能専門医、漢方専門医。最近注目されているフェムケアやGSMにいち早く取り組み、婦人科、泌尿器、性機能、外見のコンプレックスなどの、相談しにくい悩みにも対応。下ネタ医療系YouTuberとしての顔も持ち、若い世代から更年期世代、シニアまで幅広い層に人気。. 近年、GSM(閉経関連尿路性器症候群)という概念が提唱されました。 名前の通り、閉経に伴って生じる各種の症状のことをいいます。この症状の中に性行痛も入っています。閉経期に向かうにつれエストロゲンの分泌が減少することで、膣粘膜が萎縮したり、膣分泌機能が低下するために膣が機械的な刺激に対して弱くなってしまいます。GSMという概念を理解して、諦めずにしっかり対応することで症状の改善が見込めます。. アクセス サイトマップ 個人情報保護方針 アクセス サイトマップ 個人情報保護方針.
更年期に起こる性交痛の原因とその症状
膣の粘膜に炎症が起こりやすくなると、性交時の刺激で膣が傷つきやすく、痛みや出血を伴うのです。 閉経後の外陰部のひりひりした痛みや、排尿時のし 性交痛は更年期により女性ホルモンの分泌が減少し、膣の部分の潤滑液などが十分に出ないなどの理由で生じます。 心理的な原因も加わり原因は多岐にわたります。 我慢して 更年期に変化していく私たちの体。フェムゾーンの乾燥や委縮により、性交痛の問題が起こりやすくなります。性交痛の症状や、クリニックでの治療方法性交痛を伴う原因が子宮や卵巣の病気である場合には、根本的に病気を取り除く、小さくするための手術や薬物治療などをすすめられます。 それらにより、性交時痛が改善することでしょう。しかし、萎縮性膣炎のような、生命をおびやかすような病気ではない場合、対症療法としてさまざまな方法が考えられます。. 子宮内膜症によって子宮の可動性が悪くなることなどで痛みが生じます。子宮後方から直腸前面のダグラス窩という部分に内膜症ができると痛みが生じやすくなります。性交渉時の体位によって痛みの感じ方が違って、奥の方が痛く感じる場合は子宮内膜症の可能性もあります。 子宮筋腫はエストロゲンの低下に伴って縮小することがほとんどですが、閉経が遅い方はそもそもエストロゲンにさらされている期間が長くなるため、子宮筋腫が大きくなりやすい傾向にあります。その場合はある程度の大きさになると痛みとして感じる場合もあります。. レディースクリニックなみなみの料金の特徴! インティマレーザーは比較的効果が持続しやすい治療ですが、それでも1年半から2年程度経過するとどうしても効果が減弱します。当院では治療を受けやすくして、継続することが何よりも大切と考えているので、メンテナンス治療(4回目以降の治療)に関しては割引価格(15%off)で提供して継続的にかかりやすくしています。. Highlights 今、気になる!. 性交痛は様々な要因が関係しますが、腟粘膜の萎縮、乾燥が大きな誘因の一つではあります。 当院では専門医がいろいろな治療の選択肢から適切な治療を選択します。なかなか人には相談しにくい症状です。専門医に初めから相談する方が安心ですよ。. 女性ホルモンとは フェムケア 閉経 Q&A. 一般診療 婦人科 産科 乳腺外科 内科 小児科 泌尿器科 頭痛外来. アクセス サイトマップ 個人情報保護方針 アクセス サイトマップ 個人情報保護方針. ホーム 県民のみなさまへ 医師・医療関係者のみなさまへ 研修医・勤務医のみなさまへ 兵庫県医師会について 会員サイト メニュー. 一方、更年期のかたの性交痛の場合は閉経にともない女性ホルモンが低下してくることで 膣内の粘膜の潤いが減って粘膜が痩せ、 乾燥し萎縮することが原因 でこうした症状が原因で 性交痛が生じる事が多いです。. このように、特に更年期の患者様で膣の奥が痛いという性交痛の場合には、 処女膜切開の手術よりも レーザー が適応となる場合が多いです💡 当院では世界で承認を得ている「インティマレーザー」を使用いたします。. 閉経して数年経つと色の付いたおりものや出血、さらには性交痛を訴える女性が多くなります。これは女性ホルモン エストロゲン の低下によっておこる症状です。女性ホルモンには膣の粘膜に潤いを与え、細菌から膣内を守り、きれいにする働きがあります。 膣自浄作用 ところが、閉経して数年経つと卵巣からは女性ホルモンが分泌されなくなります。そのために閉経後は、膣の粘膜が乾燥、萎縮して炎症を起こしやすくなります。これを萎縮性膣炎といいます。. 誘発性膣前庭痛(PVD)は膣の入り口の感受性が高くなった状態で、少し触れただけでも痛みを感じるものです。 原因ははっきりとしていませんが、神経経路と脳の一部が物理的に変化して感受性が高くなると考えられています。骨盤筋の緊張があると痛みが増したり、性交後に膣の灼熱感が生じたりすることもあります。. お産は女性の体にかなり大きな負担になります。 会陰切開などをすることで、物理的に膣の粘膜にも損傷が起きる場合もありますし、産後の授乳期にはプロラクチンというホルモンが多く分泌されます。この時期にはホルモンの影響で膣粘膜に痛みが生じやすくなるとも言われています。 多産であればあるほど膣にも萎縮が起きやすいとも言われています。. 更年期の性交痛の多くはこの部分の痛みです。 外陰部、膣入り口(膣前庭部)はエストロゲンの影響を強く受けています。そのため、更年期になるとエストロゲンの量が減少するため、粘膜の萎縮が起こったり、膣の伸縮が悪くなったり、膣の潤滑液の分泌が悪くなったりします。 これらによって、挿入時にスムーズにはいらない、行為中もなかなかスムーズにならないなどの症状がでます。 デリケートゾーンの洗浄を過度にし過ぎることで膣粘膜の環境が悪くなることで、萎縮が早くなる方もいます。. 女性ホルモンの低下により、症状が起こっている可能性があれば、飲み薬や貼り薬などで女性ホルモンの補充を行います。 しかし、補充をやめてしまうと、数か月で元に戻ってしまうため、定期的に継続して服用する必要があります。ホルモン治療は効果や副作用が怖いと思われる方もいるかもしれませんが、さまざまな種類があるため、産婦人科やレディースクリニックの医師とよく相談をして決めましょう。. BLOG RANKING. GSM 閉経後尿路性器症候群 3回セット. とくに更年期になると、性交痛に関するお悩みは目立ってきます。 性交痛があると、痛みへの不安からさらに緊張して痛みが増してしまうといった、悪循環が生まれてしまうかもしれません。性交痛を我慢せず、早いうちに対処しましょう。. 性行痛に悩まれている患者様はお若いかたも多いですが、意外と数が多いのが40代・50代・60代くらいの、いわゆる 更年期 にあたるかたです。. このようにうるおいや張り、やわらかさを失った膣の粘膜に対して インティマレーザーを照射することで粘膜の細胞に刺激を与え再生させ 潤いやしなやかさを与えることで性交痛を治すことが可能なのです!. 更年期の性交痛の原因と対策 泌尿器・生殖器系の症状. 更年期の基礎知識 〈第39回〉. お若いかたの場合、性交痛の原因は純粋に「 体質的に濡れづらい 」とか乾燥しやすいという場合がほとんどです。お顔の肌も人によってオイリーな場合と乾燥しやすい場合があったりしますよね。. いずれも治療法は同じで ・レーザーを用いて膣内の粘膜に潤いや張り、柔軟性を与える ・ヒアルロン酸を注入して柔らかさと水分を与える こうした方法があります。. さらに、腟内の細菌バランスが崩れることで、萎縮性腟炎(老人性腟炎)を繰り返してしまうという方も少なくありません。更年期に伴う腟の変化は、性交痛だけでなく、さまざまなお悩みにつながるのです。 女性の性器は、生殖に必要な臓器であるため、閉経が近づくと自然と退化するようになっているのだろうと思います。 自然な変化であるといえます。ですが、性行為を継続することにより皮膚への刺激が加わり、腟壁の収縮弛緩が繰り返され、腟壁の血流を保持することにつながります。.